2019もDroidKaigiのスタッフをしました
だいぶ時間が経ってしまいましたが、2月7日、8日の2日間で開催されたDroidKaigi 2019にスタッフとして参加してきました。
DroidKaigiのスタッフは2016から始めて、4回目となりました。
新しいチャレンジ
代表の日高さんも DroidKaigi 2019を開催しました - ひつじのにっき で書いていた通り、DroidKaigi 2019では様々な新しいチャレンジがありました。
今回初の取り組みとなった同時通訳、朝食提供、コードラボ、スカラーシッププログラムそしてライブ配信、会場の混雑緩和対策など数えきれないチャレンジと多くの工夫がありました。
新しい取り組みは非常にエネルギーを使うものです。
必要な情報を探し、計画し、交渉し、未知の問題に遭遇し、それを解決すべくスタッフ同士が協力し、当日を迎えていました。
強い情熱がなければ成し遂げられないものばかりで、同じスタッフながら尊敬しています。
私は今回新しいチャレンジとして、協賛企業の皆さまとの連絡・情報管理の改善を行いました。
皆さまの目には触れない裏側を少し紹介します。
これまでの課題
喜ばしいことに、今回もDroidKaigiには多くの企業の皆さまにご協賛いただきました。すると扱う情報量も多くなってきます。
企業ごとに企業名、担当者名、連絡先、住所、ロゴ画像、URL、協賛プランの種類、ブース出展の有無といった基本情報の他に、経理処理のステータスなど変化する情報もありますし、担当者や住所は変更となる場合もあります。
これまではメールで連絡いただいてそれをspreadsheetに書き写し、画像は別管理としていました。
また企業の皆さまにメールで連絡をする際も1件ずつ手作業で送っており、「ブースを出展する企業にだけ」といった場合も対象にミスが無いか確認しながら送る必要がありました。
kintoneの導入
そこで今回採用したのがcybozu社のサービス、kintoneです。
kintone.cybozu.co.jp
kintoneで実現できることは多岐にわたるため説明が難しいのですが、情報を保管するデータベースやそれを簡単に操作できるUI、連携するAPIが提供されています。
関連するサービスとしてメール共有ツールの「メールワイズ」、webフォームツールの「フォームブリッジ」も導入しました。これらにより次のフローを実現しました。
- フォームブリッジで作成したフォームから、協賛申込みを送っていただく
- フォームで記入した内容がkintoneのデータベース内に自動的に挿入される
- kintoneの画面内からメールワイズを起動し、メールを送る
そしてkintoneの利用についてはcybozu様より協賛という形でご提供いただきました。大変感謝しております!ありがとうございます!
導入時に検討・試行錯誤したこと
要件をヒアリングし、試用期間の間に「出来ること」「出来ないこと」を明確にし、出来ない場合に回避策があるかなども調べ上げていきました。完全に情シスですね。
- kintoneと連携するメールツールは「メールワイズ」の他にも「SendGridプラグイン」「kMailer」があり、どれが適しているのか
- セキュリティ設定上の兼ね合いでエラーが発生したため、回避出来るのか
- フォームブリッジではai, zip, psdの添付が可能か
必須要件以外にも、細かい試行錯誤をしていきました。
- 過去のデータのimportが可能か
- spreadsheetからexportしてそのままだとうまくいかず戦ったり…
- どういったアプリケーション(テーブル)設計にすべきか
- どこまで正規化するか、運用に適したバランスを考えたり
- APIを使って、web班など他のチームと連携出来るか
- 適切な情報のみ抽出するqueryの作り方、レスポンス速度の検証、運用との相性を確認したり
- slack連携がどこまで出来るか
- フォームブリッジでの申込み内容をslackに流せないか試行錯誤
- フォームブリッジのvalidation・エラー時の処理・自動返信メールのカスタム
- 「条件を満たしたときのみ、特定のフィールドを必須項目にする」など
他にも書き切れないほど試して仕様を熟知してから導入したので、運用中に困ることはほとんどありませんでした。
よく使っていた機能
メールの一斉送信
「ただメールを送るだけでしょ?」と思うかもしれませんが、メールは宛先やBCCを数十件にして送ると、途中で詰まったり、迷惑メール扱いされ送信されなくなったりします。
時間を置いたり、App Scriptを書いたりしなくても良いのが楽でした。
メールのテンプレート機能
上記ヘルプの機能を使いました。特に、kintone上の値を挿入する機能がとても便利です。
全ての協賛企業様に、1社ずつ1行だけ異なる内容のメールを送るときに重宝しました。
また今回作成したテンプレートは今後のために蓄積しやすくなりました。これまでもwikiに残したりしていましたが、探す手間がなくなります。
フィルター × メール
「○○プランの方にだけ確認メールを送りたい」というタイミングは非常に多くあります。コピペミス、うっかり改行やスペースが混ざる、といったミスを気にしなくて良くなりました。
スタッフはエンジニアが多く、細かいメール作業が得意という訳でもありません。手すきのタイミングでサッと送れて便利でした。
他にも、過去のやりとりがたどりやすくなっていてチームで進めやすいなどのメリットもありました。
まだ一部別システムと併用しているためメールが見つからなくなることがあったので、さらに移行を進めたいと思っています。
ちなみに、連絡手段をメール以外に寄せてみようと試みたりもしたのですが、別の問題が発生したため断念しました。
新しい試みは必ず成功する訳ではなく、良いと思ってもやってみないとわからない学びがありました。
またいくら効率化を進めたとは言え、実際のところ個別の相談・調整が多くを占めます。
スタッフは基本的に余暇を使って活動しており、仕事の波もある中で継続的に時間を確保するのが難しい画面もありました。
協賛企業の皆さまにはそういった事情について寛大なご理解をいただき、大変感謝しております。
ボランティアスタッフだけでは限界を感じるときもあり、他のカンファレンスではどうしているのかぜひ話を聞いてみたいです。
その他、やったこと
オフライン定例会議で使う議事録の、テンプレ生成ツールを作ったりもしました。
qiita.com
カンファレンススタッフのお仕事は参加者の皆さまが直接メリットを享受できる華々しい役割もあるのですが、裏側を支える裏側的な地味な仕事もいろいろとあるのです。
他には、細かい気遣い担当をしていたかなと思います。
登壇者のマイクがヘッドセット型になるということで、髪などを整えられるよう鏡の設置を提案しました。
実際使われていたのか、気付かれていたのかもわからないので、もし使ったスピーカーの方がいたら教えてください。
こういった細かい点は「良かった」という声が1つでもあれば次回も続きますし、そうでなければ無くなるでしょう。フィードバックは大きな力を持ちます。
あとはアルコール消毒液の手配もしました。
こちらは以前「欲しい」という声をいただいたのを覚えていて提案したものです。参加者の皆さまからのフィードバックも、スタッフはよく見ています。
用意が必須ではなく効果も見えにくいものは、ぜひご意見をいただけると嬉しいです。
当日
展示ルームの担当をしつつ、写真撮影担当も兼ねていました。皆さまの交流をたくさん撮れて幸せでした!
今後
DroidKaigiは一段落し、しばらくは大きなタスクもなく穏やかな生活になりそうです。
と言いたいところですが、4/14に技術書典6を開催予定で、そちらでも少しスタッフをしています。
私もAndroid関連で執筆しようと思っているので、ぜひ遊びに来てください!